引っ越しが決まったときにまず気になるのが、かかる費用の総額ですよね。
すでに引っ越しを何回か経験している人ならなんとなく相場がイメージできるかと思いますが、引っ越しの経験が一度もなければ、何にどれくらいお金がかかるのか全く想像できないでしょう。
引っ越したせいでせっかくの新生活が困窮してしまわないためにも、あらかじめかかる費用を計算しておくと安心です。
今回は、引っ越し費用の総額とできる限り安く抑える方法について詳しくご紹介します。
引っ越し費用の総額と内訳
「引っ越し費用」と聞いて、具体的にどんなお金がかかるかパッと思い浮かぶでしょうか?
家賃や引っ越し作業代はもちろん、実際に引っ越しをしてみないとわからないような隠れた支出もたくさんあるのです。
引っ越し総額は通常、引っ越し先物件の家賃の6倍(6ヶ月分)程度が目安とされています。
たとえば、家賃5万円の物件に引っ越す場合の総額は、単純計算で30万円程度ということになりますね。
もちろん個人差はあるものの、思い立ってすぐに引っ越しできるほどの気軽な金額ではありません。
では、「単身」「2人」「家族」の実際の引っ越し費用総額の相場を見てみましょう。
単身 | 30〜40万円 |
2人 | 40〜50万円 |
家族 | 70〜80万円 |
人数が増えれば増えるほど住む家が広くなり荷物も増えるので、それに比例して引っ越し費用も高くなっていきます。
ただし家賃によっても大きく変動するため、大体の目安として覚えておいてください。
物件の退去や契約にかかる費用
最も多くを占めるのが、物件そのものや不動産会社との契約にかかる費用です。
具体的な内訳はこちら。
- 元の物件の修繕・ハウスクリーニングにかかる費用
- 契約する物件の家賃や管理費
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 保証会社にかかる費用
- 火災保険料
- 鍵交換費用
もともと賃貸物件に住んでいた場合は、その物件を退去する際にも費用が発生します。
入居の際に敷金を払っていれば返金されることがありますが、敷金を払っていなかったり、あまりにも室内の汚れや破損がひどい場合はその修繕費用が必要になる可能性があります。
そして、新しい物件を契約する場合に必ずと言っていいほど発生する費用が、その他の6つです。
入居前にはたいてい「前家賃」と言って、入居する月の分の家賃を支払わなければいけません。
あわせて敷金1ヶ月分+礼金1ヶ月が必要なケースも多いですね。
保証会社と火災保険については、不動産会社があらかじめ指定していることがほとんどです。
もし他に希望があれば交渉することも可能ですが、提示される保証会社は不動産会社と提携していることが多いので、いざというときに安心ですよ。
意外にも見落としがちなのが、不動産会社に払う仲介手数料です。
不動産会社は物件を持つ大家さんと物件の借り手の間で仲介をしてくれるという立ち位置なので、その手間賃のようなイメージですね。
仲介手数料も不動産会社によってピンキリですが、一般的には家賃の0.5ヶ月くらいが相場とされています。
引っ越し作業にかかる費用
引っ越し作業そのものにかかる費用です。
おそらくほとんどの人は引っ越し業者への依頼を検討するでしょう。
その場合、引っ越し業者の利用料金が多くを占めます。
- 引っ越し業者に支払う費用
- オプションサービスにかかる費用
- 作業員への心付け
- 粗大ゴミなどの処分費用
- トラックのレンタル代や交通費
引っ越し業者は大手から地域密着型まで幅広くあり、料金もピンキリです。
引っ越し時期によっても大きく変動するので、初めからひとつに絞るのではなくいくつかの業者を比較してみることをおすすめします。
業者によってオプションサービスも異なるので、自分のニーズに合ったものを選んでみてくださいね。
また、「作業員に心付けは渡すべき?」という疑問もあるかと思いますが、必ずしも渡さなければいけないものではありません。
業者によっては心付けは受け取らないよう徹底されているところもあります。
もしも気になるようなら、業者に直接聞いてみると良いでしょう。
渡さなかったからといって作業が適当になるわけではありませんが、気持ちよく作業してもらうには心付けを渡すのもひとつの手段です。
なお、引っ越し業者に頼まずに自力で引っ越しをしたいという場合には自分でトラックの手配や荷物運びをすることになり、レンタル料金や交通費がかかります。
荷物が少なければそこまで重労働でもなく、料金も安く抑えられるので、検討してみてはいかがでしょうか。
家具や家電の購入にかかる費用
今まで使っていたものをそのまま持ち込むといった形でもない限り、家具や家電の購入も必須です。
最低限用意しておきたいものは以下の通り。
- カーテン
- 照明器具
- ベッド、布団一式
- 冷蔵庫
- ガスコンロ
- 洗濯機
- 電子レンジ
- 炊飯器
昼間のうちは明るいので照明がなくても作業ができるものの、日が落ちてだんだん暗くなってくると照明なしではだいぶ厳しいです。
新しい物件にすでに照明が付いている場合はラッキーですが、そうでないならあらかじめ使える形状を確認して、照明を用意しておくことをおすすめします。
また、つい忘れがちなのがカーテンです。
私が以前引っ越しをした際の話なのですが、引っ越し日までカーテンを準備しておらず、引っ越し作業が終わった夕方頃に急いで買いに行きました。
しかし、取り付ける頃にはもう真っ暗……。
当時は「早く付けなきゃ!」という思いで必死だったのですが、今思えばその様子が外から丸見えだっただろうと思います。
これから引っ越しをするなら私のようにならないよう、計画的に準備しておいてくださいね。
引っ越し費用を安く抑える方法
先にもご紹介した通り、引っ越しにかかる費用の総額は新たに契約する物件の家賃の6ヶ月程度が相場です。
これは決して安い金額とは言えません。
できることならなるべく安く抑えたいですよね。
そこで、引っ越し費用を安くするために効果的な方法をいくつかご紹介します。
繁忙期を避ける
引っ越し業者に依頼する場合、料金を大きく左右するのが「引っ越し時期」です。
一般的に引っ越し業者の繁忙期は3月から4月と言われており、この時期はどうしても引っ越し料金が高騰します。
通常期に比べると、倍以上になることも……。
そのため、自分である程度時期を決められるのであれば、繁忙期はなるべく避けましょう。
料金が安いだけでなく、引っ越し日時が決められやすいというメリットもありますよ。
敷金・礼金不要の物件を選ぶ
引っ越しの初期費用で地味に痛いのが、敷金・礼金です。
最近では礼金不要の物件も増えてきていますが、賃貸物件情報を見てみると敷金が必要な物件はかなり多いことがわかります。
敷金はあとあと返ってくることも多い費用ですが、初期費用を抑えるという点で見ればないに越したことはありません。
仲介手数料が安い不動産会社のほうがお得
不動産会社によって、仲介手数料は異なります。
なるべく安く抑えたい場合は、仲介手数料の安さを謳っている不動産会社を選ぶと良いでしょう。
また、物件によっては仲介手数料無料を売りにされていることもあります。
不動産会社にとっては仲介手数料は貴重な収入源なのですが、早く貸し出したい物件の場合は貸主からのみ手数料を受け取って、借主には無料で提供していることがあるのです。
家賃の0.5ヶ月分だったとしても、家賃5万円だとしたら仲介手数料は2.5万円。
これがあるのとないのとでは、総額も大きく変わってくるでしょう。
「フリーレント物件」を選ぶのもアリ
フリーレント物件とは、一定期間、家賃が無料になる物件のことです。
貸主としては、家賃は下げられないものの早く入居してほしいといった場合にフリーレントにすることがあります。
数ヶ月家賃がかからないというのはかなり大きいですよね。
ただし、物件の家賃が相場よりも高い場合は、長期的に見ると損することになります。
初期費用を抑えることも大切ですが、1年後、2年後のことも考えて契約することが大切です。
引っ越し業者選びは慎重に
引っ越し業者は、大手になればなるほど料金が高くなる傾向があります。
もちろんサービスの質も比例していますが、特にこだわりがなければ地域密着型で安い引っ越し業者を選ぶのもひとつの手段です。
まずは相場を知るためにも、一括見積もりサイトを利用してみるのがおすすめ。
いくつかの簡単な項目を入力するだけで、複数の気になる引っ越し業者から見積もりを取ることができます。
なお、荷物が少ない単身引越しの場合は、単身パックなどを利用することで安く抑えることも可能です。
初期費用を分割払いにする
不動産会社によっては、初期費用を分割払いにしてもらうことも可能です。
クレジットカードで分割で支払うようにすれば、手元にお金も残り、ポイントも貯まって一石二鳥ですよね。
分割払いを考えているなら、不動産会社のホームページで確認するか、直接電話で聞いてみましょう。
まとめ
引っ越し費用の総額は人数によって異なります。
単身引っ越しの場合は「30〜40万円」、2人の引っ越しの場合は「40〜50万円」、家族の引っ越しの場合は「70〜80万円」が相場です。
簡単な計算方法としては、引越し先の物件の家賃の6ヶ月分程度が総額になると覚えておいてください。
また、費用を抑えたい場合は、物件や不動産会社、引越し方法などを慎重に選ぶことが大切です。
引っ越し後の生活に余裕を持たせるためにも、工夫して削れるところは削っていきましょう。
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